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地上29階からの眺め…
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○ 私は高所恐怖症であり、かつ先端恐怖症であり、閉所恐怖症でもある。子どもの頃から、それは変わらず、地下深い空洞から抜け出せずに冷や汗をかいて目が醒めたり、アイロンの先や置物のドーベルマンの耳に「危ない!」という恐怖感を持ったり、不安定な高所から落ちてしまう夢を見たりすることが多かった。

○ なので、高層ビルの29階、こんな場所でも少し窓から離れて、外の景色を見ているわけだけれど、赤い花の背景には東京湾がよく見える。私が18歳で上京した頃には、高層ビルといえば霞ヶ関ビルぐらいしかなかった。自分が長年通勤している田町駅周辺にも、森永ビルぐらいしか目立ったビルはなかったが、現在では芝浦口を含めて、高層ビルが林立している。

○ あと、7年もすれば私は定年退職を迎える。その間にも街並は変化を遂げていくことだろう。古い建物は取り壊され、新しいビルが建ち、人の流れも変わっていくに違いない。それでも、ずっと自分がいた場所のなつかしさや雰囲気といったものは、変わらず、どこかに残っているものと信じたい。
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