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とうに桜の季節も過ぎて… |

○ 慶応大学東門の桜である。あれからすでに1か月以上も経ってしまったが、それほど年限の過ぎ去っていくスピードは早い。そうこうしているうちに、遠い記憶というものが蓄積されていく。そして、50歳も半ばを迎えるようになると、時々、断片的な記憶が突如よみがえってくることがある。
○ 今、私の場合、それが美空ひばりさんの数々の歌なのかも知れない。1曲1曲を繰り返し、身体に刻み込むように聴いていた1週間、そのたびに歌詞やメロディから、子どもだった頃、青春時代の何の脈絡もないシーンが浮かんでくる。それらと向かい合い、無心になって、ただじっとしている自分がいる。こんな感覚にさせてくれる美空ひばりさんは、やっぱり天才なのだと思う。
