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私たちのカレー論(プロローグ)−('99/9/16) |

▼ 今年も夏が来て、すでに夏祭りが開催されたり、旧盆過ぎの時期に至るまで、全国津々浦々、大小さまざまのイベントが予定されている。何といっても暑い日 にはカレーライスが食欲をそそり、汗を流しながら、フハフハと口にし、冷たい水をゴクゴクと飲んだとき、双方が強烈に身体の中で共振し合い、それぞれの旨 さが格段に引き立つのである。
▼ しかし、1年前の初夏(7月26日)、日本全国を震撼させたのは夏祭りでの毒入りカレーであり、それ以来、カレーライスへの風当たりが強くなったことも事実である。大多数の人たちは、お互いの善意を毎年のお祭りの準備や実行を通して確認し合い、とりくみの前段から気分も高揚しているわけだが、そのような場に信じが たい悪意が入り込み、海の物から山の物までの各種食材を、「カレー色、カレー味、カレー臭の中に取り込んでしまう」というカレーの個性的な特質の中に猛毒 を仕掛け、あのような惨劇が起きてしまったことは残念でならない。
▼ そこで、今回はカレーライスの復権の意味を込め、「私たちのカレー論」について、僕の友人たちなどからのメッセージを紹介しながら、3回にわって記載していきたい。
まずは、日本海側の田園地帯で育ち、僕(1953年生まれ)よりも3歳ほど年下の友人は、「コーチ」というテレビドラマで話題になった「さばカレー」について、次のように述べていた。
>>>> そうそう、「さばカレー」の話しをしなくてはなりませんね。何故「さば」なのか。それは、(豚)肉の代用品なのです。 私が小学校の低学年のころは、スーパーマーケットなどというものはなく、近所にあったお店といえば、駄菓子屋と品揃えの悪い雑貨屋のみで、週2回程度は移 動バスが巡回して販売するような、米や野菜は基本的に自給自足の、けっこう田舎の村だったのです。
当時、(豚)肉は農協が「定時定量(字は違うかも知れませんが)」といって、一定間隔で配達していたのです。食べたい時にいつでもあるというものではなく、しかも高級品だったのでしょうね、農家にとっては。
ですから、母親は子どもの私たちに、何かしら動物性のタンパク質をと考え、「さば」の缶詰を入れたのだと思います(味噌煮ではなくて水煮のほうです)。今は食べたいとは思いませんが、妙になつかしい食べ物の一つなのです。<<<<
