| 07/22 | |
今どき、東北新幹線車中で緑茶を飲む |

◎ 僕が初めて上京したのは、小学校5年生のときだった(従兄弟の結婚式)。JRの前身である国鉄の水郡線(現在もディーゼル機関車なので電車ではない)上野行きに乗車した。あの頃は、列車の中でもたばこを吸う人が多く、各座席に灰皿が付いていた。東京に着いて、見上げた空はスモッグに覆われていたし、隅田川は真っ黒く淀んでいた。ところで、当時250円だったと記憶しているが、水戸駅で「うなぎ弁当」を買ってもらい、もちろんお茶は熱湯の入った四角い透明のプラスチック容器に、ティーパックを浸すタイプのものだった。各種の缶飲料が登場して以後も、この形態が長く続いた。一時期の緑茶は、サントリー・ウーロン茶のペットボトルに押され気味だったが、伊藤園(「お〜いっ!お茶」という呼び名をブランド名にした珍しいネーミング)の巻き返しにより、あっという間に緑茶飲料が優勢を占めるようなったのである。

◎ 日本には緑茶を冷やして飲むという習慣がなく、本来の味や香りも維持できる技術、缶やペットボトルに詰めたときの品質など、ウーロン茶よりもクリアすべき課題が多かったようである。冷たい緑茶飲料に引き続き、温かい緑茶飲料も専用の保温装置とともに開発・普及し、駅の売店やコンビニでの定番商品として定着している。現在、中国茶(ウーロン茶)よりも緑茶が支持されているのは、長い歴史と習慣の根強さを物語っているといえよう。ウーロン茶は、中国や台湾で飲まれる形とは異なり、日本では冷たくして飲む形が普及した。「午後の紅茶」でも同様のことが証明されている。それが「日本的な受け入れ方」なのだろう。というわけで、ディーゼル車両の水郡線時代の記憶から、今は東北新幹線での通勤という環境に変化したけれど、加齢に伴いコーヒーから緑茶を飲む機会が多くなってきたのである。
